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新・健康学「偏食」のすすめ―ヒトは果物を食べるように生まれついている
永樂 和重
教育評論社 刊
発売日 2006-10


内容(「MARC」データベースより)
すべての動物にある「食性」という性質は、ヒトの場合「果実食性」である。果物を積極的に食すことで、私たちは確実に健康でいることができる! 「健康」と「食性」の関係を解き明かし、「正しい食事法」を提案する。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
永樂 和重
医師。1969年、神奈川県横浜市に生まれる。私立栄光学園出身。1995年、東京医科大学卒業。大学病院勤務を経たのち、東京医科大学微生物学教室助手としてウイルスの研究と学生の指導に従事。その後、独立してクリニックでの診療活動を行う。現在は、「ヒトの食性」に基づいた正しい食事法の普及に尽力している。専門は内科学・予防医学

目次

第1章 「健康」と「食性」の関係を解き明かしましょう(健康のほんとうの基本は「食性」!
「健康につながる食事」の原則はカンタン)
第2章 食べ物の「必要」「不必要」を見分けましょう(私たちには「生命力のある生の食べ物」が必要!
私たちには「精製されていない自然な食べ物」が必要! ほか)
第3章 「正しい食事法」を学びましょう(これが「果実食・葉食健康法」!
「果実食・葉食健康法」を実践してみる ほか)
第4章 「正しい食事法」の疑問にお答えしましょう(一日を「三つの時間帯」に分ける
「モーニングタイム」は果物だけ ほか)


この本は”ワンダーランド”だ! 2006-10-05
多くの人は健康に良い本やTV番組には見飽きている。この本もその類のものかと考えて読み進めると驚愕する事だろう。「ヒトは雑食ではなかった」・・・?本当か?では肉食なのか?草食なのか?あまりにも衝撃的で今までの常識的な考えと全く違う事なので、私自身で少し調べてみたが、今の栄養学も医学も実は「何を食べるべきか」について論理的な見解は何一つ持っていない。「こういう傾向がある」と僅かなデータから類推しているに過ぎないのであった。この本の著者は「果実を食べるように生れついている」と言い切る。断定だ。そうすれば突っ込みどころを探したくなるのが人情だ。しかし、私には否定するところがなかった。文章立論の言い回しにも吟味が行き届いているようだ。ひょっとして大した作家であり、医学者なのかもしれない。平易で優しい文章である。読み進めていくうちに、自分が患者になって「赤ひげ」先生にでも診察されているような気分に陥る。だがいい気分だ。本来医者と患者とはこういう感覚、信頼と尊敬がベースにあったのだ、少なくとも二・三十年前までのドラマの共通理解だったはずだ。読後には様々な思いがある。本当の事を知った喜び、既成の常識への憤り、メディアの情報を鵜呑みにしていた自分への反省。更に驚くべきは、医学・栄養学にとどまらず、政治経済、歴史文化などの言わば「文明そのもの」への懐疑と視座の変化に及ぶ。人間は人類は、一体何をやってきたんだ、と思う。しかし、その事で「人間は愚かである」と結論してしまう事は短絡だ。我々日本人は、世界の中でも日本食は最も優れた食文化だと自負している。だがそう言ったところで、相対的な問題でしかない。食習慣として恵まれた環境であったに過ぎないことが判る。この本の言わんとするところは、そんなお茶濁しとは訳が違う。「絶対性」としての主張である。科学法則なのである。この本の出版は、行き過ぎた「仮説演繹」が蔓延して「何でもアリ」の科学界に痛快なストレートパンチ炸裂、と言ったところか。「ポストモダン」とはこの本の事、と誰か賛成してくれないか?相対主義至上と言う価値観が終焉して、更に「相対」とはそもそも「絶対」のカウンターなのだと。


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